実現のエネルギー:個人の持つ3つのエネルギー

組織変革の一環として、人と組織のエネルギーを考える際にはこの「実現のエネルギー」をとても大切にしています。

実現のエネルギーとは、将来なりたい姿を明確にして取り組むことによるエネルギーです。理想像を強固に描き、周囲と応援し合いながら実現に向けて日々取り組むことで高まります。日々の業務が自分の理想像の実現に結びついているという実感を持つことも重要です。

理想を追求すること

理想像は、実はそれを追求する過程にこそ大きな意味があります。

チームを上げて、願わくば全社的に、理想像をいつも考え、追求する文化を作り上げていきたいものです。

アメリカのプラグマティズム哲学者、ニコラス・レシャーは次のように言っています。

人は理想を追求する生き物である。

最適な結果というものは、限界を超えたところでさらに手を伸ばしてつかもうとすることによってのみ得られる。

人は現実と可能性の2つの世界の住人なのである。

理想は決して達成できないかもしれないが、それを達成しようとするからこそ、人は限界を超えて知を想像する。

人を動かすのは、理想を追求したいという「想い」や「志」なのである。

今期の業績に汲々とし、目の前の仕事に上司も部下も没入し、せっかくの実現のエネルギーを無駄にしている職場が多いことは大変残念なことです。

実現のエネルギー

将来なりたい姿を明確にして取り組むことによるエネルギー

実現のエネルギー 
										1. 強固な理想像
10 年後 20 年後の自分のありたい姿を明確に描く。
2. 理想像の共有
自分のありたい姿を上司と部下やチームのメンバー同士などで共有し、支援し合う。
3. 現状との直結感
ときどき現在の仕事が、ありたい姿に直結しているかを確認し、より実感する。

強固な理想像

弊社代表の今野誠一の原体験を元に解説致します。

その原体験は、今を遡ること30年、1984年のこと。

サラリーマン時代関連会社に出向した今野は、無性に流されていく感覚に襲われ、将来計画を立てることにしました。

将来計画と言っても、何歳でどのポジション(課長→次長→部長→取締役→社長)に就くかということを明確に決意する、というそれだけの単純なことでした。

しかしながら、それだけの単純なことが、今野が仕事に臨む上での意識と言動を、計画に向かうものとして明確に変えることになりました。

もうひとつの体験は、今野が起業した40歳の時のことです。

今野が38歳の時に「企画書講座」なるものに参加したのですが、題材が「A3一枚で人生企画書を作る」というものでした。

左半分に生まれてから今までの自分年表と、資産、能力、人脈等の棚卸しを、右半分に人生の目的、理想像、未来年表を記載します。

未来年表には、なんと何歳で人生を終えるかまで記入するユニークなものでした。

この時の自分の人生が見通せるスッキリ感と、人生の目的と理想像を明確にした充実感は絶大なるものがあったようです。

この講座の体験をもとに、40歳の独立起業時に正式に作った人生企画書が、現在はバージョン5になっており、常に今野自身の生き方にエネルギーを与えています。

これらの原体験を元に生まれたのが、マングローブの「人生企画書研修」です。 現在では複数の大手企業様の新任課長研修等で導入いただいています。

「自分の人生に目的を持って、理想像を追求して仕事に取り組んでいる上司に部下はついてくる」という趣旨の研修で好評をいただいています。

人生企画書の話は、理想像を描くことに関する今野の原体験をご紹介するため取り上げましたが、そこまで作るかどうかは別にして、「ありたい姿を描くこと」の価値は、声を大にして申し上げたいことです。

将来の自分を考えることを「キャリアデザイン」と言いますが、キャリアを描くべきかどうかという議論が出てくるほど、将来が見通せない、描きにくい時代になってきています。

会社そのものが生き残りをかけて、刻々と姿を変える必要に迫られ、業界というくくりすらもアメーバのように変化していきます。そのような環境の中で、転職市場も活性化し、ホッピングがごく当たり前になりました。

キャリアドリフトという言葉も発明されているそうです。ドリフトとは、漂流すること。明日どうなるかも分からないこの時代を生き抜いていくには、あえてキャリアを考えず「流されていく」のがよい、という「理論」なのだそうです。

流されていくこともキャリアと言い、理論になるという、大変な時代です。

「置かれた場所で咲け」という言葉は今野が大好きな言葉ですが、そうした考え方の是非はともかくとして、そういう時代、状況だからこそ、自分の拠り所となる「理想像」が重要になると考えています。

しかも、人間として、ビジネスパーソンとしてどうありたいか、というありたい姿、長期的に追求する理想像です。それは、自分の状況の変化に伴って変わっていってまったくかまわないものです。

理想像の共有

描いた理想像は、あくまでも個人のもので自分自身が追求していくためのものですが、様々な形の共有によって新しい力を生みます。

1. チームでの共有

チームの全員で定期的に将来の理想像を共有している職場があります。

ここでは、共有によって、「仲間の理想像が刺激になる」「目の前の仕事に没入せず、自分のことも仕事のことも長期視点で考えるようになる」「お互い実現できるように支援し合う雰囲気が生まれる」といった声が聞かれるようです。

2. 上司と部下での共有

将来の理想像を上司と部下で共有することも非常に有効です。

「今のこの仕事は、全て君の将来の理想像に繋がっているよね」という共通理解が、目の前の実務に没入して小さくなっていた部下の視野とスタンスと心を少しだけ大きくすることに繋がるかもしれません。

一方通行ではなく、上司自身の理想像も部下に共有することによって、お互いの信頼関係をさらに強固にできる可能性もあります。弊社でも、定期的に社長と社員全員で、理想像とそれに向けての取り組み状況の共有会を行なっています。

3. 家族との共有

自分の将来の理想像を家族と共有している人もいるようです。

ご主人を給料袋を運んで来てくれる人、と見るのではなく、家族のために人生を切り開いてくれている英雄として見ることに繋がったとしたら最高ですし、家族の理解は何よりのカになることと思います。

株式会社マングローブのおもしろルール 「実現のエネルギー」に関するマングローブでの実践例