異質のエネルギー:組織の持つ3つのエネルギー

異質のエネルギーとは、組織内の異質なものの存在や、異質なものとの接点による化学反応によって生まれるエネルギーです。

多様な人々が関わって刺激し合うことの重要性は分かっているのに、いつの間にか組織内は同質化していきます。

お互いを認め合い尊敬し合って、力を合わせた方がうまくいくと分かっていても、いつの間にか組織内は、他責、他罰の意識が渦巻いてくるようになります。

外との接点で刺激を受けたり、視野を広げることの重要性は分かっていたのに、時間と共に内向的になっていきます。

これらの現象を打破していくためには、組織のリーダーが、これらの「同質化」「他責化」「内向化」といった組織の力学、あるいは病状と言ってもよいかも知れませんが、その存在を理解して組織運営に当たることが必要です。

意思を持って打ち手を施していくことが必要な分野なのです。

異質のエネルギー

異質なものの存在や、異質なものとの接点によるエネルギー

異質のエネルギー 
										1. 多様な人材の存在
組織内に多様な人材が存在し、化学反応(1+1=3)が起きて、プラスアルファの価値が生まれている。
2. 違いの尊敬
お互いの違いに着目し、それを尊敬し合うことで、最高のチームワークになっている。
3. 外との接点
積極的に社外と接点を持ち、 その刺激によってチームを成長させている。

多様な人材の存在

「多様性の尊重」は、今やごく当たり前に語られるようになりました。ダイバーシティという言葉の方が通りがよくなったかもしれません。

しかしながら、その意味するところは、正確に理解されているとは言えないようです。昨今の政策の影響もあってか「女性活用のこと」と思っている人も多いのではないでしょうか。

また、企業イメ-ジアップや採用力向上を狙って「謳う」ことが目的となっており本質な取組みが追いついていない企業が多いのも現実のようです。

意味するところを正確に理解し、世の中の流れに乗って謳い文句を並べるのではなく、人と組織のエネルギーを上げていくための積極的な施策として捉えるべきだと考えます。

ダイバーシティは、「ハード」のダイバーシティと「ソフト」のダイバーシティに分けて考えたらどうでしょうか。

「ハード」のダイバーシティは、その人の属性や状態で、国籍、性別、年齢、学歴、障害の有無等です。

「ソフト」のダイバーシティは、そうした属性や状態に無関係な、視点や価値観、発想等です。

マングローブが考えるダイバーシティの基本概念は、『「ハード」の違いを尊重し受け入れ、「ソフト」の違いを生かす』というものです。

そして、そのことを通じて組織のパフォーマンスを向上させることを目指します。

「ソフトの違いを生かす」ということの意味は、一人ひとりの視点や価値観、発想を生かすことはもちろんのこと、「化学反応を起こす」ということです。

1+1=2ではなく、3にも4にもしていく。

例えば視点というのは、見る角度のことを言うわけですが、Aさんがある方向から見て分かっていることに、Bさんが別の方向から見て分かっていることを合わせて、2つの視点の掛け算で物事を考える(化学反応)ことで、生み出すものを豊かにします。

発想で言いますと、CさんのあるアイデアとDさんのあるアイデアを、単独ではなく組み合わせることで、思いもよらない第三のアイデアが生まれる(化学反応)ということです。

これらのことを、多様な人材を集めてたまたま起こることを期待するのではなく、リーダーが目的意識を持って「ソフトの違いを生かす」マネジメントをしていくことが重要です。

違いの尊敬

プロ野球日本シリーズで日本ーを成し遂げたバレンタイン監督のある言葉をご紹介します。

「優れたリーダーには“尊敬”の心が必要である」

「頑張っている仲間を尊敬する。対戦相手を尊敬する。ファンを尊敬する。そして選手一人ひとりが自分自身を尊敬すること。それが強いチームを作るポイントである」

血で血を洗うようなポジション争いが当たり前のプロ野球の世界において「頑張っている仲間を尊敬する」ということを大切にしていることを、とても新鮮に感じました。

しかも「自分との違いを尊敬し合うこと」とおっしゃっています。

また、エーリッヒ・フロムは「愛するということ」の中で、愛することは技術なんだと言い、次のように言っています。

『愛の能動的性質を示しているのは、与えるという要素だけではない。あらゆる形の愛に共通して、かならずいくつかの基本的な要素が見られるという事実にも、愛の能動的性質があらわれている。その要素とは、【配慮】【責任】【尊敬】【知】である。』

愛の要素が、【配慮】【責任】【尊敬】【知】であるというのは、実に素晴らしい表現ではありませんか。

配慮・・・花が好きだと言っていても、水やりを忘れていては愛することにならない。

責任・・・自発的な行為であり、他人の要求に応じる用意があるということである。

尊敬・・・人間のありのままの姿をみて、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のこと。他人がその人らしく成長発展していくように気遣うことである。

知・・・人を尊敬するには、その人のことを知らなければならない。その人に関する知識によって導かれなければ、配慮も責任も当てずっぽうに終わってしまう。自分自身に対する関心を超越して、相手の立場に立ってその人を見ることができた時にはじめて、その人を知ることができる。

この話の中においても「尊敬」という言葉が中心的存在になっています。

「尊敬する」とは

  • 人間のありのままの姿を見る
  • その人が唯一無二の存在であることを知る
  • 他人がその人らしく成長発展していくように気遣う

という3つのことを言い、そしてそのためには

  • その人のことを知らなければならない
  • そのためには、相手の立場に立ってその人を見ることができなければならない

ということであります。

冒頭で「お互いを認め合い尊敬し合って、力を合わせた方がうまくいくと分かっていても、いつの間にか組織内は、他責、他罰の意識が渦巻いてくるようになります」と書きました。

とりわけ業績が思うように上がらない時、人はとかく原因を自分の外に求めるもののようです。どんな人でもそういう傾向を持っています。

「他責の文化」は、人と組織のエネルギーを失わせる要因のひとつです。

普段から、職場に「尊敬の文化」を作り上げておくことがそれを回避する道であると思います。

外との接点

リーダーと職場のエネルギーが低いと、組織内の発想と、ひいてはそれによる行動が「内向的」になっていきます。

冒頭に書いたように、外との接点で刺激を受けたり、視野を広げることの重要性は分かっていても、時間と共に内向的になっていく理由は、

  • 長くやっていることによるマンネリ化(同じことの繰り返しの日常)が悪循環となって、抜け出せなくなる
  • 状況が厳しいと余裕がなくなり、目の前の作業が目的化し、本来の目的を忘れ、大胆なアクションが取れなくなる
  • 疲弊によって行動力がなくなる

などが考えられるのではないでしょうか。

億劫がってしないでいた運動を、一念発起してやってみたら、身体がほどよい刺激で活性化し、習慣につながったというような経験をした方も多いと思います。

それと同様に、いずれの場合もリーダーが意思を持って(一念発起して)状況打開をしなくてはなりません。

異業種との交流からたくさんのヒントを得ることがあります。まったく違うジャンルの学びから、自分の取り組んでいるジャンルのアイデアを想起する場合があります。

そうしたメリットを享受するために、チームのメンバーに、社外の交流会や学びの場への参加を推奨するなどの簡単な方法から、他社との積極的な人事交流(お互いの社員の交換出向)を進める等の本格的なものまで、具体策を講じることが可能です。

座学では得られない貴重な体験の持ち帰りが、組織にも刺激をもたらします。

株式会社マングローブのおもしろルール 「異質のエネルギー」に関するマングローブでの実践例