成長のエネルギー:個人の持つ3つのエネルギー

例えば、昨年から今年への「自分自身がこれだけ成長した」という実感、手応え、充実感、喜びが、「来年も成長したい」という、次への成長意欲を呼び起こします。

この成長意欲の好循環から生まれるプラスのエネルギーのことを「成長のエネルギー」と呼んでいます。

成長とは何か?

リーダーは、メンバーのこの成長のエネルギーを損なわないようにしなければなりませんし、願わくば高めるようにしたいものです。

まずは、何気なく使っている「成長」という言葉を定義することから始めたいと思います。

「成長とは、変化することである」

このように言いますと、次のような疑問符が返って来ます。

「よくない方に変化するのは、成長とは言わないのでは?」

それは確かにそうなのですが、悪くなろう、悪くなろうと思って日々生きている人はいないだろうと思います。

中には、悪い方に変わりたいという奇特な人もいるかもしれませんが、ことビジネスに携わっている人においては、上向きの変化、よい方への変化を求めているに違いありません。

3つの変化

ビジネスパーソンとしての成長としては、大きく3つの変化が考えられます。

①役割の変化

実務で言えば、徐々に難易度の高い仕事を担当できるようになっていきます。個別の難易度もさることながら、いくつかの仕事を並行して進めることができるといった幅の広がりも大きな変化です。適材適所の第一の意味は、「力量に応じた仕事」ということです。

そして組織の中での役割の変化も重要です。自分のことで精一杯の時代から、指導的役割、統括的な役割へと変化していきます。

イノベーションを起こしていくための先兵的役割等、ヒエラルキー上の管理面の役割だけではない新しい役割も、状況によって生まれて来て社員の変化の視野に入って来ることになります。

②能力の変化

専問分野の能力を上げるときりがありませんが、概ね能力の変化は、次の3つのことに集約されるのではないでしょうか。

  • できないことができるようになる(スキル)
  • 知らかったことを知る(知識)
  • 見えなかったことが見えるようになる(視点や視野)

スキル、知識は分かりやすいかと思いますが、3つ目の「視点や視野」は、いくらでも考えられて焦点を絞りにくいです。

「見えなかったことが見える」を次のようなこととして考えた上で、人間的成長の一端として見ることも可能ではないかと思います。

  • 人の気持ちが分かる
  • 物事の本質が分かる
  • 自分自身を客観的に見つめる

③意識の変化

「意識」自体は目に見えないものですが、働く上での心構えが、物事に取り組む姿勢や日常の立ち居振舞いとなって表われます。逆に言いますと、行動を見れば意識が分かるとも言えます。

いくつかの「意識」の例をご紹介します。

1.問題意識

物事に常に「どうあるべきか」「どうありたいか」という理想の状態をイメージする習慣が身についており、現状とのギャップを、問題として認識し、解決しようとする。

2.当事者意識

仕事上に起こる様々な問題の全てを自分事としてとらえ、それから逃げることなく、あらゆる方法を駆使して解決するまで携わっていく。

3.プロ意識

いつもコンディションを最善に保ち、自分を磨く活動を止めることなく、どのような局面でも、仕事のクオリティーを一定に保とうとする。

成長のエネルギー

成長を実感することによるエネルギー

成長のエネルギー 
										1. 成長目標
数値目標のみならず、伸ばしたい能力や知識を明確にする。
2. 成長機会
成長につながる仕事に順調につくことができ、仕事以外の場でも学びの機会が充実している。
3. 成長実感
この1年間に、これだけ成長した(できるようになったこ と、知ったこと、見えるようになったこと)という実感を持つ。

成長実感

「成長のエネルギ-」の核心は、次への成長意欲のきっかけや場合によっては源泉となる「成長実感」をどう味わってもらうかです。

職場の中で成長実感を味わわせてあげられるのは誰か、という問いかけに対しては迷わず「上司」と答えるはずです。

それが分かっているのに、本人の「成長実感」の支援をしないとしたら、上司としての役割をサボっているか、部下への愛がないということかもしれません。

成長実感というのは、自分自身で感じるだけではなく、他の人からのフィードバックによって、より増幅される性質があります。

例えば、同僚・先輩・上司・社長・お客様と、本人を取り巻く関係者の人々からの、「最近の○○さんは◯◯が変わったね」と認知を伝えられた時の成長実感には絶大なるものがあるはずです。

こうした認知の伝達を、偶然に期待せず、負担が大き過ぎて本末転倒にならない程度の方法で仕組みとして考えることもひとつの方法です。

成長目標

成長実感を拠り所に、次への成長意欲を形にしていくために、名自に成長目標を掲げてもらうことも大切です。

人事制度上の目標は、どうしても今期の業績主体になるために、数値目標とそれを実現するための業績に直結する行動だけを目標にしがちです。

人事制度という仕組みがどうあったとしても、日常のマネジメントの上では、成長に関する目標を明確にして取り組んでいきたいですね。

人事制度のような1年や半年というタームにこだわらず、新しいプロジェクトがスタートする前に、そのプロジェクトを通じてどのような成長を手に入れたいかを決意して臨む等柔軟な取り組みをすることもよいでしょう。

成長機会

会社として(組織として)、様々な成長機会を提供することによって、せっかく生まれた本人の成長意欲の火を消さず、さらに大きく燃やしていくよう支援していきます。

次の3つのことが主な内容です。

1. 成長につながる仕事を順調に与えられる

仕事をし始めて数年間は特にそうですが、仕事をすることそのものが、大いなる成長機会です。手持ちぶさたな状態が最も成長を遅らせることになるのです。

2. 学びの場を設ける

会社としての教育体系に基づく教育研修の充実はもとより、職場単位で軽快に自主的な取り組みをしていく風土が必要です。

3. キャリアを支援する

研修等で、これまでの自分の成長のターニングポイントを振り返っていただくと、人事異動の機会を上げる人が、圧倒的に多いのです。

「人事異動は最大の教育の機会である」とはよく言われることです。

まったく新しい仕事に挑戦することは、新しいスキル・知識が身につくだけでなく、能力の三つ目のポイントの「視点・視野」を大きく変える機会になるでしょう。

「余人をもって替えがたい」という言葉は勝手な組織の論理であり、人を抱え込むことは、部下を飼い殺しにする罪深いことだと考えなくてはなりません。

株式会社マングローブのおもしろルール 「成長のエネルギー」に関するマングローブでの実践例