07 組織構造

「組織構造」は、事業戦略を実行していく“体制”と、それを維持し、あるいは高度化していく仕組み等について考えるものです。

組織戦略の中で、最も事業戦略をダイレクトに反映して考える項目かもしれません。

マングローブでは、組織図・仕組みやルール・人員配置という 3 つの領域において、組織構造構築のコンサルティングを行っています。

コンサルティングする3つの領域

1.組織図(Structure)

事業戦略を実行していくための全社的な体制を、図に表わします。

価値連鎖等の観点から、事業を回して価値を生んでいく流れを考え部門に落とし込んでいきます。組織の考え方は、会社の数だけ存在するとも言える複雑なものですが、多くの場合は、「部門へのミッションの定義の仕方」「ライン部門とスタッフ部門のバランス」「既存事業と新規事業のバランス」「企画部門の位置づけ」「階層の存在」などが検討のポイントとなります。

・ミッション定義

各部門のミッションが明確になっていることが重要です。 ひとつの部門にいくつもの機能を複雑に持たせずにシンプルに定義することがポイントです。

・ライン部門とスタッフ部門

「小さな政府」という言葉が流行語になっていますが、規模だけを問題にするのではなく、ミッション(機能)を戦略的に考える必要があります。
小さくなったと見せかけて、結局現場に管理的な機能を持たせてあったり、本来必要な機能が失われて本末転倒の事態になっているなどの失敗例は多くあります。

・既存事業と新規事業

多くの企業経営者が今、最も頭を悩ませているテーマかもしれません。 最も多い失敗は、既存の部署から推薦でメンバーを出させて、「新規事業準備室」のような組織を作って「研究させる」というパターンです。 経営者の意思のない状態での組織化で成功することは少ないようです。

・企画部門の位置づけ

「営業企画」や「開発企画課」などといった、「〜企画」という部署の位置づけには、注意が必要です。戦略を考える機能の場合も、結果としての業績を取りまとめる機能の場合も、その両方である場合もありますし、他のセクションに入らない「よろず仕事」の部署という場合もあります。 最初からミッションを明確にしておかないと、往々にして肥大化したり、当事者が部署の存在意義を見失って活気のない状態になってしまいがちなのです。

・階層の存在

本部長、事業部長、部長、次長、課長、主任、チーフ等々、色々なポジションを表す肩書きで組織に階層を作ります。
本来は事業戦略を実行していく都合上意味があるかどうか、戦略実行の機能の観点で階層を考えたいところです。
多くの場合は、人事制度等の仕組み上の取り決めが既成概念となっており、 処遇としての観点で階層を考えることになってしまっています。

この他、部門間の連関をどのように考えるか、固定的組織として組織図に載 せるべきものと、時限的タスクフォースとして考えるべきものの検討などいくつかの観点も加えて組織構造を最適なものにしていきます。

2.仕組みやルール(System)

組織の形と合わせて、組織メンバーの行動を規定する各種の仕組みやルールを設計します。

意思決定の仕組み、管理会計の仕組み、人材関連の仕組みの3つが主なものですが、組織風土を作っていくための施策との関連も深く、今までにない発想での斬新なルールが色々と誕生する可能性があります。

・意思決定の仕組み

意思決定という行為は、様々な要素がからみあって行われるものです。
意思決定の手順、権限の範囲、報告や連絡や情報の流れ等です。
手順とルールに加えて、これらを組織的なものにしていくための会議体なども、ここに含まれます。
例えば、会議体のあり方は、組織風土のあり方にも大きな影響を与えますから、総合的に考えて設計していく必要が出てきます。

・管理会計の仕組み

会計システムは、事業運営をお金の側面から正しく把握するための仕組みです。
それに「管理」をつけた「管理会計」となると、予実管理のルール、目標達成のプロセス管理や、プロフィットセンター(利益単位)の経営状況を把握する経営管理システムになります。
JAL 再生の原動力となった「アメーバ経営」などが好例として、利益単位の取り方が着目されました。
意思決定システムとの連動、フィロソフィーなどとの連動があっての成功であり、他のシステムとの総合的な設計と運営を考える必要があります。

・人事評価の仕組み

組織メンバーがどのような働き方をし、どのような成果の上げ方をすればいいのかをなるべく分かりやすく明示します。

結果がどのように評価され、最終的に報酬等の処遇にどのように結びつくかは、メンバーにとっては大きな関心事になりますから、意思決定の仕組みや管理会計の仕組みと同等か、それ以上に行動のあり方に大きな影響を及ぼします。

設計の仕方によってはプラスにもマイナスにもなるものであり、他社事例や、「人事制度はかくあるべし」といった既成概念にとらわれず、自社独自の仕組みとして練り上げる必要があります。

3.人員配置(Staffing)

「1,組織図」と「2,仕組み&ルール」で設計されたものを、「誰が」回していくのかを検討します。

個別個人名を念頭においた人員配置の巧拙によって、結果は大きな違いを生んでいくことになります。

次の3つのポイントを押さえる必要があります。

①人材スペックとの関係

組織のミッションに合わせて、どのような人材が適切なのかを、人材スペックの観点で考え配置します。そのための人材の管理などの整備も必要になります。

②要員計画との関係

事業計画に沿った、今後の部門ごとの要員計画に合わせて先手を打った計画が必要になります。 時にはそうした計画を一時棚上げにして、ある部署に集中しなくてはならない局面もありますから、正に事業戦略に合わせた柔軟性も求められます。

③教育的視点

本人の「やりたい」意思やキャリアプランとの整合性、さらには計画的に育てていきたい会社としての意思を反映させて個別配置を変えていきます。