一通のメールが運命を変える

2015年1月15日木曜日


ネガティブな内容を伝える際には、注意が必要である。

普段のコミュニケーションでもそうなのであるが、企業組織の状態が良くなく、幹部の意識改革を促がさなくてはいけないような場合にはとりわけ注意が必要である。

組織変革のプロセスで役員の意識改革と経営陣のチームビルディングの目的で、役員会セッションを行った。

テーマは経営ビジョンである。

セッションは、はじめ中々活性化しなかった。
各役員が、自分の担当分野のことにしか関心も問題意識もない。
他の役員の守備範囲にもの申すことはほとんどなく、ましてや全社的な経営課題となると、さらに心もとない状況であった。

社長のイライラ度のメーターの目盛りは上がる一方であった。

このような場合に気をつけなくてはいけないのは、性急に目に見えた成果を期待してはいけない、ということだ。

ところが社長は一回のセッションで役員の星取り表、閻魔帳を作り始めた。

何人かの役員にはX(バッテン)がつき、役員不適格者としてマークする意識になっていたのであろう。

そこへもって来て、社長の耳にマークしていた一人のN役員の日頃のマネジメントぶりについて、部門内の複数のマネジャ―が公然と不満を言い始めているという情報が耳に入った。

社長がここで冷静沈着に「ひと呼吸」おくことができればよかったのであるが、咄嗟に取った社長の行動によって、非常に悩ましい状況に陥ってしまったのである。

社長がN役員に「メール」を送信。

内容は・・・

「お前は役員に向いていない・・・」
という書き出しで始まり、日頃の仕事ぶりや、役員セッションでの視野の狭さ等を上げつらうもの。

そしてメールの終盤には、
「部門のマネジャー連中もお前に不満を持っている」
という、伝聞のことまで書いてしまった。

数日後N役員からは辞表が提出される。

人のロに戸は立てられず。
ましてやメールはいくらでも転送、拡散してしまう。

社長の役員へのー通のメールによって、組織変革の取り組みは、ゼロではなくマイナスからの再スタートとなってしまったのだ。

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※企業や個人を特定できないよう、事実に基づき一部脚色しております。