管理職をきちんと見極める

2016年10月12日水曜日


【まだまだ物足りない】

「まだまだ物足りないんだよね」

またまた、このセリフを聞きました。

お客様企業の組織の見直しの議論の際、次の幹部の話になることがあります。

候補者に対して関係者(経営陣)から発せられる言葉の第一位は「まだまだ物足りない」というものです。

概して慎重ですね。

慎重であること、相応しい人物を厳選することは悪いことではありません。

 

しかしながら、親子がそうであるように、年齢の差は縮まりませんので、いくつになっても「あいつはまだまだだ」ということになり、下手をすると機会を与えられないうちに適齢期を過ぎてしまうというようなことになってしまいますね。

 

社長さんはもう60歳を過ぎており、役員陣も50代60代です。

物足りないと言われている対象の部長さん方はだいたい40代から50代です。

社長さんに尋ねました。

社長が役員になったのは何歳の時ですか?

「30代前半だったかな」

若くして抜擢され、「立場が人を育てる」という考え方を地でいった貴重な経験をした社長さんです。

実務にも精通したカリスマ経営者でいらっしゃいますので、誰を見ても「物足りない」ということになっています。

 

ゲーテが重要な言葉を言っています。

曰く「人はいかに遇されるかによって、それなりの人物になっていく」。

 

 

【遅く一斉に上げてほったらかし】

別の企業のことですが、こちらの企業は管理職への登用年齢が概して遅く、一斉に上げるという傾向があります。

会社自体の成長スピードが遅くなっており、平均年齢が高くなっているという側面もありますが、私から見るに人事部が(会社が)「一人ひとりをきちんと見ていない」「 十把一絡げにしている」という問題が見られます。
十把一絡げというのは悪い言い方ですが、当事者にその意識が無くても結果としてそうなっているということです。

 

しかもさらにまずいことが2点あります。

年功的にほぼ順番に昇進させて、管理職になってからの教育がないということがひとつ。
ほとんどほったらかしです。

もう一つは、上げてから管理職として相応しかったかどうかの見極めをしていないということです。
結果が出ず、マネジメント力の無さから部下が悲鳴を上げていても一切管理職から外すということは行いません。
役職が生涯保証の安泰なものになっているんですね。

 

極端な言い方になっていますが、この「遅いタイミングで年功的に上げて、その後ほったらかしで、相応しくない管理職もそのまま」という企業は普通にありますね。

 

・十把一絡げではなく、きちんと能力と可能性を見極めて抜擢をしていく
・昇進させた後の教育が重要である
・相応しくないことが分かったら外す

 

という3つのことをきちんとやっていくことは人事部(経営)の大切な仕事ですね。

3つ目の「相応しくないことが分かったら外す」ということを、役員部長クラスはよく見えるのでやっているが、課長クラスはよく見えないので降格はなしという企業もあります。
しかしながら実は、最も見極めなくてはならないのは、若手社員と直接接する課長クラスなんですね。

 

管理職の見極めをきちんとしないために起こる一番の悲劇は、当然のことながら有能な若手が離れていくという事態です。

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今野 誠一Seiichi Imano
企業経営にあたりつつ、自らも第一線のコンサルタントとして、組織変革コンサルティング、経営幹部教育プログラムや管理職研修のファシリテーション、企業理念構築や経営ビジョン構築ワークショップのファシリテーションなどを担当している。