可能性の狭まる成長

2016年7月28日木曜日


成長とは可能性が広がることです。

成長したことで、可能性が広がることはもちろん。

その過程で視野が広がることもあれば、出会った人によって道が広がることもあります。

 

できなかったことができるようになり、知らなかったことを知り、見えなかったものが見えるようになる。

それによって「あんなことできたらいいな」「こんな風になれたらいいな」が増えてくる。

具体化してくる、現実のものになってくる。

 

それが成長だと思います。

 

写真

 

 

仕事を通じて成長する。

大事な姿勢であり、上司や経営者が期待することです。

そして、本人にとっても望むことです。

価値観は多様化していると言われていますが、だからこそ「成長こそが最大の報酬」とも考えられるのが今の時代です。

 

 

しかし、ふと感じることがあります。

仕事の経験値が増えれば増えるほど、逆に選択肢が狭まっていないかと。

 

その会社で、その仕事でできることが増えた。

知っていることも増えた。

しかし、実はそれが、その会社でしか通じないことだった。

 

組織の暗黙知を知ることは、組織でのスムーズな仕事に繋がります。

しかし、組織の暗黙知に染まってしまうと、柔軟性が失われてしまいます。

暗黙知に染まった個の集まりからは、変化を受け入れられない組織しか生まれません。

 

本来は可能性が広がるはずの成長なのに、気づくと、その会社でしか仕事ができない人材になってしまう。

転職ができない、それどころか社内で異動すらできないという。

自社の常識だと思っていたことが、実は“社会の非常識”であったということも。

 

スキル的な話だけではなく、心理的な側面もあります。

新しい仕事を覚えることが億劫になってしまう。

新しい人間関係をどう築けばよいのかわからなくなってしまう。

 

成長とともにそういった感覚を持ったとしたら。

言葉を選ばずに言うと、それは成長ではなく“慣れ”です。

 

そういうことにならないように、自分自身の定期点検が必要です。

「本当の意味で、できることが増えているのか?」と自問する。

業種の違う人と会ってみる。

仕事以外のコミュニティに参加する。

 

自社の常識は、“社会の非常識”。

これ、冗談ではないですから。


林 直人Naoto Hayashi
組織変革コンサルタントとして、教育研修プログラム設計や講師、企業理念構築・運用などに従事。