ビジョンが浸透しない理由

2016年7月6日水曜日


「なぜ、ちゃんと説明しているのに、ビジョンが理解されないだろう?」

それはイメージできていないからです

ビジョンが達成された状態を。

そして、それは戦略にも言えます。

 

かつて、作戦を考えることを「絵を描く」と表現しましたが、このニュアンスが非常に重要です。

 

字だけの本を読んでいても、場面をイメージできるものもあれば、できないものもあります。

そして、イメージできやすい人もいれば、できない人もいます。

 

「なぜ、ちゃんと説明しているのに、ビジョンが理解されないだろう?」

 

そう思ったとしたら、言葉だけの説明になっていませんか?

大事なのは、そのビジョンが達成されたときの状態を、ありありとイメージできるかどうかです。

 

「ビジネスがうまくいっている」

「目指した業績目標が達成されている」

 

うん、会社のビジョンが達成されたのであれば、そうなるのでしょうが。。。

それだけでは、まだ「言葉で伝えた」域を超えていません。

 

そのビジョンが達成されたとき、

・顧客とはどんな会話がされているのか、どう思われているのか。

・業界内ではどのような評価を得ているのか。

・社内ではどんな会話が広がっているのか。

・どんな新人が入って期待と思うのか。

・自慢できることはどんなことが増えているのか。

 

そういったことを伝える、時には一緒に描いていくことが大事です。

 

なぜなら、ビジョンは理解することが重要なのではないからです。

共感すること、ワクワクすること、目指したいと思うことが重要です。

 

それによって、組織の活動に一人ひとりが当事者意識を持つようになります。

それが、ビジョンを描き、社員に共有する意味です。

 

たとえば、北海道に旅行に行くとなったら、色々な風景が頭に広がると思います。

雪まつり、大きな草原、ジンギスカン、海鮮丼、函館の夜景など。

ハワイに行くとなったら、ダイヤモンドヘッドやワイキキビーチ、ショッピングセンターなどが目に浮かぶでしょう。

だからこそ「行きたい!」と思います。

もちろん、逆に、「寒いから行きたくない」「飛行機は嫌だ」という人もいるでしょうが、それもイメージを持つことができているためです。

 

そのイメージが広がるのは、私たちに北海道やハワイを知っているからです。

 

北海道を知らない5歳児に「一緒に北海道に行くよ!楽しみだね!」と言っても共感は得られません。

それよりも、「大好きなイクラがたくさん食べられるよ」「大きな牧場でお馬さんに乗れるよ」と伝えることで、初めてワクワク感が生まれるでしょう。

 

数値目標だけがビジョンとなっている企業も少なくありません。

毎日唱和しているところもあるかもしれませんが、それをどれだけ続けても、ある程度以上のイメージは広がらないでしょう。

目標などはできるだけ数値化したほうが良いというのは、その通りです。

それは、達成したか、していないかが明確になるためです。

でも、意外とこの数値というのは、イメージが湧きにくいもでもあります。

もとい、数値だけというのは、イメージが湧きにくいもでもあります。

 

 

ビジョンを描いた経営者自身は、その言葉が何を表現しているか、その数字がどれだけのものかはもちろんわかっていると思います。

また、言外のことも十分にイメージされているでしょう。

でも、なかなかそれが伝わらない。

伝わっていると思っていて、経営者自信も実は伝えていない。

そういうことが少なくないと思います。

 

私たちが、ビジョン浸透をお手伝いするとき、そのビジョンや戦略を絵にすることをお勧めしています。

できるだけ一枚物で、イラストちっくに。

頭に絵でイメージさせるなら、もう初めから絵で説明しちゃえという考えです。

 

その絵を前にして、改めて、このビジョンが達成されたらどんなことが起こっているかを話し合う。

また、実は理解していなかったというところを、ざっくばらんに質問する。

言葉だけだと、自分が「何を理解していないか」もわからないということが多いものです。

 

図1

 

 

そして、その上で、このビジョンを実現するために何が必要かを考えていく。

当事者として。

 

 

絵でイメージできるように伝えているか?

ビジョン浸透のヒントは、ここにあります。


林 直人Naoto Hayashi
組織変革コンサルタントとして、教育研修プログラム設計や講師、企業理念構築・運用などに従事。