組織体制を考える前に…

2016年2月1日月曜日


twitter上で、1枚の図が話題になっています。

組織の意思決定図の特徴を国別に表したものです。

 

各国の意思決定図

 

小さいので見づらいですが、

 

フランス 「一直線で最高権力者が膨大な権力を握っている」

ドイツ 「現場がトップに指示を出す」

ラテン/アラブ 「軍隊式だが、中間管理職にも権限が与えられる」

 

といったことが読み取れます。

『When Cultures Collide: Leading Across Cultures 』という書籍に掲載されているものだそうです。

 

グローバルに展開する企業が多くなってきた中で、各国の企業がこのような組織になっているかどうかはわかりませんが、これが国ごとの文化を表しているということは一理あるでしょう。

 

これは、企業の組織体制を考えるときにも参考になる資料です。

 

組織体制を考えるときには、事業別組織だとか、副部長を置くかどうか、横串機能を作るとか。

そういうことを考える前に、このように、どのように意思決定をするかを考えることが重要です。

 

「組織の意思決定図が文化を表している」と先述しましたが、意思決定の流れ、ルールを変えることで、文化を作り出すこともできるためです。

 

 

言い直すと、「どういう意思決定の流れがいいか」「どういうコミュニケーションをとって欲しいか」を考え、それを実現できる組織体制・ルールを考えることが大切です。

特にイノベーションが必要な業界・企業において当てはまることです。

 

コミュニケーションが変わるというのは、関係性が変化するということです。

関係性が変わると、人間の思考や行動にも変化をもたらします。

 

「組織を変えるのは難しい」「時間がかかる」と言いますが、個人を変えることのほうが難しい時があります。

それよりも、意思決定のラインやルールを変えることで、個々のコミュニケーションを半強制的に変化させ、共通認識作りをしていった方が早い場合もあります。

 

「もっと主体的に提案してきて欲しい」「情報共有を積極的に行って欲しい」と社員に期待はしていても、組織体が旧態依然のままになっていることはないでしょうか。

「組織体は変えられないもの」と思考停止になってしまっていることも少なくありません。

 

昨今、多いと感じるのが、効率化に重きを置きすぎた組織体制です。

 

一番効率的なプロセス。

一番効率的なコミュニケーション。

一番効率的なルール。

 

無駄なことは辞めるというスタンスは大事ですが、時として効率性は「遊び」をなくし、思考停止の社員、創発性のない組織を生み出してしまいます。

いつの間にか「それが一番効率的なのか」ということも考えなくなってしまうでしょう。

 

効率化を求め、事業統合し、間接部門を集約する企業グループも少なくありません。

結果的に販管費の削減にはつながったでしょう。

しかし一方で、組織が巨大化することで、事務手続きまでの時間が長くなってはいないでしょうか。

自部署が担当事業だけを推進すれば良いようになり、新しいことに気づき、取り組む文化が薄れてしまってはいないでしょうか。

組織が大きくなって、逆に他部署の人材と交流することが少なくなってはいないでしょうか。

 

 

組織体制は、文化作りに大きな影響を与えます。

効率を考えるのは重要なことですが、ときとして、その視点は内向きなものになってはいないでしょうか。

 

全てバリューチェーン上でお客様に最高の価値を提供するためには?

より大きな価値を提供できる事業を生み出す組織になるためには?

そういった発想が促進される個々の関係性は?

その関係性をサポートする体制・ルールは?

 

今の組織は、事業戦略を実行するために、本当に機能する組織構造・体制なのか

固定概念を持たずに、考えてみることも大切でしょう。


林 直人Naoto Hayashi
組織変革コンサルタントとして、教育研修プログラム設計や講師、企業理念構築・運用などに従事。