新人も職場も育つ研修

2015年10月29日木曜日


10月~11月は新入社員フォロー研修の依頼も多くなります。

入社以来、全力で走ってきた中で、一度立ち止まって、これまでの経験・学びを振り返ることが大切な時期です。

 

職場からフィードバックコメントを事前に収集し、振り返りに活用することも少なくありません。

新人としては客観的な視点で自分を振り返れるとともに、「見てもらっている」という安心感を得ることもできます。

本来であれば、このような機会がなくとも日々フィードバックを行うことが、上司や先輩社員の役目と言えるのですが、なかなかそうもいかず、新鮮な機会となっているようです。

 

収集するフィードバックはフリーコメントの場合もあれば、指定するいくつかの観点からコメントをもらう場合もあります。

 

裏を返すと、この「いくつかの観点」というのは「こういう視点で部下・後輩を育ててくださいね」という人事・経営からのメッセージでもあります。

評価と同じ機能なのですが、研修にからめることで、育成者としての意識を強く持って部下・後輩を見てくれます。

 

上司・先輩にとっても意味のある施策なのですが、部下へのコメントだけで終えてしまうと、起こってしまう可能性があります。

「職場の課題の棚上げ」が。

 

どういうことか?

 

職場からもらったコメントに目を通すと、様々な期待と課題が書かれているのですが、「職場にも問題があるのではないか?」と感じることがあります。

 

身だしなみや言葉遣いについて書かれているが、お手本となる先輩社員がいないのではないか。

「目的意識を持って」と書かれているが、上司が作業の一部だけを「やっておけ」と渡してはいないか。

「わからないことはすぐに聞く」とあるが、声をかけづらい雰囲気があるのではないか。

というように。

 

部下の課題としてコメントをするところで終わってしまうと、それを改善するのは自分自身、もしくは研修講師の役目と勘違いしてしまいます

 

もちろん、そういった職場の状況を乗り越えて行動していくことが新人には求められますが、それこそが、まさに「職場の課題の棚上げ」です。

 

ですので、弊社では上司・先輩社員には、受講生の日々の行動を振り返ると同時に、職場の状態についても振り返ってもらうことを推奨しています。

写真

 

先述のように「お手本になっているか?」「率先垂範しているか?」「チームの目標・ミッションは明確か?」「声を掛け合っているか?」といった具合に。

これはコメントする上司自身のマネジメントを振り返るという意味では、非常に効果的です。

 

 

研修では、新人本人の成長意欲を高める。

職場に対しては、育つ職場づくりを促す。

この2つのアプローチがあることで、人材育成が機能します。


林 直人Naoto Hayashi
組織変革コンサルタントとして、教育研修プログラム設計や講師、企業理念構築・運用などに従事。