目隠し状態でのリーダーシップ

2013年8月20日火曜日


「ブラインドスクエア」というアクティビティがあります。

チームメンバー全員でロープを持ち、そのロープで正方形を作り、1/4を他チームの正方形と重ねることがゴールです。

ポイントは、参加者全員が目隠し状態であるということと、このアクティビティのゴールがチームリーダーである一人にしか伝えられていないということです。

 

開始するとリーダーは最終形を伝えようとしますが、メンバーの状況、他チームの状況が把握できないことから、なかなかうまくいきません。

次第にリーダーの指示は一方的になり、最終のゴールを全員が理解していないため、メンバーはどんどん指示待ちの傾向になっていきます

 

このワークを行ったあとの振り返りでは、メンバーから次のような声が聞こえてきます。

「もっと自分から発言すれば良かった。リーダー任せにしてしまった」

「最終的にどんな形にするのかわからなかった」

「自分のチームのことだけでなく、他のチームに対してもやり方など伝えればよかった」

 

一方リーダーからは

「ずっと指示を出していたが、メンバーとやり方を相談して進めれば良かった」

「最初にしっかりゴールを伝えて理解してもらうようにすべきだった」

という声があがってきます。

 

ミッションの達成のためには、さらに他チームとの協力が必要になるこのアクティビティでは、部署をまたいで仕事をする時に、リーダーとして、メンバーとしてどのような意識してすすめるべきかを考えるヒントが得られます。

 

 

先行きが見えない、変化が激しい、そして競合が乱立する今のビジネス社会は、まさに目隠しされた状態とも言えるでしょう。

そんな中で、しっかりと先が見えるようにすることもリーダーの役割ですが、自分自身に見えないのであれば、見えないなりに周囲を頼ることも1つのリーダーシップでしょう

 

組織の目指すゴールはしっかりと伝えつつも、その具体的なアクションについてはトップダウンにせず、メンバーと共に考える。

組織の上に立つ人だけが情報を持っている時代ではありません

戦略立案に関してもリーダー一人の経験則からなるものでは、時代遅れの手法かもしれません。

 

メンバーを巻き込む姿勢がより有効な施策を生み、そしてなによりもメンバーの自律性を育んでいきます。

 

 

「部下が受身で作業レベルのことしかできない」と嘆く上司は少なくありませんが、上司が目的を伝えず、作業レベルでしか指示出しをしていないことが原因のことも多いのです。

また作業指示しか出されないと、意欲が薄れていくという部下側の話もよく聞きます。

 

目隠し状態と言える今のビジネス社会では、自分のマネジメントに関して目をつぶってしまっている上司が非常に多いと感じます。

 


林 直人Naoto Hayashi
組織変革コンサルタントとして、教育研修プログラム設計や講師、企業理念構築・運用などに従事。