3つの行動が理念実践に前向きな職場をつくる

2013年6月21日金曜日


「理念や行動指針を全社に浸透していきたい。」

多くの企業の経営者が求めることでしょう。

 

規模が大きくなればなるほど、理念浸透に重要なのは各職場のマネージャーの動きが重要な要素になってきます。

おっと、前言撤回です。これは規模の大小関ならずとも言えることでしょう。

 

では、職場のマネージャーは何をすべきでしょうか。

理念を覚えさせることでも、唱和させることでも、理念実践をチェックすることでも、そして理念浸透の施策の旗振り役になることでもありません。

 

もっと重要なことは、職場のメンバーが自発的に理念や行動指針を実践しようとする風土をつくること

つまり、理念浸透のために職場のマネージャーに求めることは、メンバーに実践させることではなく、「自分も意識してみよう」と思わせることです。

“風土づくり”なんて言うとハードルが高く感じるものですが、具体的な行動は誰にでもできることばかりです。

理念実践の“風土づくり”を行うならば、まずは次の3つを職場のマネージャーが実践していることが大切です。

 

1.体現する

言うまでもないことなのですが、意外と見られないのが体現する姿勢です。

それぞれの職場のマネージャーが組織ごとの経営者と自覚し、トップと想いを共有し、一番の体現者となる。

そんな率先垂範する背中があってこそ、職場全体に「自分も理念に即した行動をしよう」という姿勢が生まれます。

職場のトップが理念実践について“やらされ感”を持っているようでは、職場への理念浸透は前には進みません

 

もちろん、前提としてマネージャー自身の共感が重要です。

「規模の大小関わらず」と書きましたが、たとえ10人の会社であっても、職場のリーダーが、理念実践において適当な対応を見せるようだとその影響は職場全体に及びます

マネージャー自身がそのことを自覚することが第一歩であることは間違いありません。

 

2.認める

メンバーが理念を実践したエピソードを共有したり、理念に即した行動を見かけたりした場合は、認知し、本人に伝えることが大切です。

ここで、禁句となるのが「当たり前」という言葉

そして大事なことは、「どんな小さなことであっても認める」という姿勢です。

理念や行動指針に書かれていることで実行が難しいものはほとんどありません。

むしろ、「自社の社員なら誰もがベースとして持っていて欲しい」という想いを明文化したものなので、そこに書かれていることは「できて当たり前」と思われることばかりでしょう。

しかし、だからといって理念や行動指針を実践している部下に対して、「できて当たり前」で済ませてしまうと、「もっとやろう」という気持ちにはなりません

 

また、メンバー自身も日々の自分の行動を当たり前と思い、理念実践の行動に気づいていないことが多いものです。

結果として、理念実践と聞くと大きなことと思ってしまい、「面倒だな」という思いが先行してしまいます。

理念や行動指針の実践と聞いて「何をすればいいのかわからない」と答える方の多くは、理念実践を“周囲の手本となるような素晴らしい行動”と考えていることが多いのです。

小さな行動であっても見て、それを伝えてあげることで、「こういうことでいいんだ」と理念への理解が深まり、実践のハードルを下げることができます

そして、このような日々見てくれていると感覚が部下からの信頼となっていきます。

 

 

3.仲間を作る

各組織のトップ一人が旗振り役となっているだけは、浸透は進みません

たとえどんなに影響力の高い人であってもです。

 

仲間を作るときに効果的なのが、相談するという姿勢です。

「理念を浸透させたいから、どうにかしろ」

「リーダーとなって浸透プロジェクトを企画してくれ」

このようなコミュニケーションでは、上司部下の関係は変わりません。

 

「もっと、みんなが自然に理念実践できるような職場にしたいんだが、何かいい案はないだろうか」

「もっと理念浸透を進めたいのだが、今の職場の状況をどう思う?」

という相談の姿勢が部下の心を動かし、当事者意識を醸成していきます。

 

もちろん、これが「人任せ」「押し付け」な態度になってしまうようだと逆効果です。

 

日々自分が一番の体現者となることで理念浸透への共感を示し、信頼関係を構築することで、部下の協力姿勢を生みやすくなるのです

 

 

3つのことを書きましたが、職場のトップの理念への共感が根底にあります。

会社の理念浸透度に物足りなさを感じる場合は、まずはリーダー・マネージャー層の共感・実践度を確認されると良いでしょう。


林 直人Naoto Hayashi
組織変革コンサルタントとして、教育研修プログラム設計や講師、企業理念構築・運用などに従事。